思考

過去も未来も存在しない。今を生きる部族ピダハン。

物心がついてから今まで、一人称の意味がよくわからない。

一人称は自分が自分を指し示す時に使う言葉で《俺・僕・私・拙者・ワシ・おいどん》など様々なバリエーションがある。

どの一人称を用いて自分を言い表すかは、その人の性格や思考が色濃く出るし、周囲へのイメージ作りにも影響を与える。

やっぱり西郷隆盛は「おいどん」っぽいし、叶姉妹は「わたくし」っぽい。

こうやって文章を書いたり人前で話をする時は内容をわかりやすくするために「僕」という一人称を使うけど、やっぱりしっくりこない。

カウンセラー的な人に相談したら「それは幼少期の親との関係が」なんて話が始まりそうだけど、記憶にある限り言葉を発し始めた頃からこの感覚だから、原因があるのかもよくわからない。

とはいえ、この一人称の意味わからない現象が生活に支障をきたすことはなく、悩みでもなければ困ったこともない。

このおかげで自然と一人称を使わずに話す技術が身についた。

『一人称を使わない=自己主張が減る』ので、話し合いによる対立はほとんど起こらない。

ただ、お互いの主張をぶつけたいような人には物足りない相手だと思う。

向こうは自分の意見をぶつけるのに対し、こちらは自分の意見を他人の意見のように話してしまうため、暖簾に腕押し状態で張り合いがない。

ところが、英語だと自然に「 I 」と言える。

人は言語ごとに性格を切り替える(2言語話す人は2つの性格、3言語話す人は3つの性格をもつ)と聞くけど、まさにそんな状態。

そもそも英語だとボキャブラリーが少なくて微妙な言い回しが出来ないから、必然的にストレートな表現になって日本語みたいに遠回しな表現で一人称を避けることが出来ない。

言語によっては一人称が存在しないものも存在するのかな?

あ、そういえば昔読んだ「ピダハン」という本。

この本は言語学者のダニエル・エヴェレットさんが、現地でのフィールドワークを元にピダハン族の言語や文化を記したもの。

当時この本を読んだ時、全く新しいピダハン語の概念にワクワクしたことを覚えてる。

ピダハン語には「過去と未来」が存在しない。どうやら彼らが話す言葉には現在を表す言葉しかなく、過去に対する後悔や未来に対する不安を語る言葉を持ち合わせていない。

そもそも現地調査を行なったダニエル・エヴェレットさんは、キリスト教の伝道師としてピダハンに接触した。

しかしピダハンの人々がすでに幸せだということに気がついてしまい、1人にもキリスト教を伝道することができなかった。

そこから彼は宗教を捨て言語学者となった。

21世紀になった現代でも、宇宙や地球はおろか、人間同士でさえ新しい発見がまだまだあると思うとワクワクする。

興味がある人は、ぜひ『ピダハン「言語本能」を超える文化と世界観』を読んでみてほしい。

そしてもう冒頭の一人称の話とかどうでもよくなっちゃった。

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